こちらのサイトは「庵主-あんじゅ-anju -」、小さな庵。
フランス語では天使という意味です。
乳ガンの方の「天使」になりたいと願いを込めて、
「あんじゅ」と名付けました。
再発・転移
再発・転移には 局所と遠隔転移の2つの形式があり、それぞれ治療の考え方が異なります。
局所再発…術後の患側乳房や腋窩リンパ節に乳がん細胞が腫瘤を形成する場合
遠隔転移…骨、肺、肝、遠隔リンパ節などに乳がん細胞が腫瘤を形成する場合
局所再発の場合、遠隔転移を伴っていなければ場合によっては治癒を望むことができます。
遠隔転移の場合には、ほとんどの場合で治癒は望めません。
しかし、適切な治療を受けることで、より長く普通に生活を続けることが可能になりました。
この場合の治療の目的は、治療による生活の質の低下をあまり起こさずに、乳がんによる症状を緩和する
ということになります。
再発・転移の治療
◆ 局所再発の治療
遠隔転移を伴っていない場合、手術による病巣の完全切除を目指します。
また、必要に応じ、放射線治療・ 薬物治療が追加されます。
◆遠隔転移の治療
画像診断で遠隔転移が疑われた場合、確定診断と治療方針決定のため可能であれば転移巣を生検します。
しかし、多発転移の場合には、技術面・侵襲面から生検を省略される場合があり、
その場合には原発巣の性質で治療を検討します。
治療は、全身治療として、
1. ホルモン療法
2. ハーセプチンなどの分子標的療法
3. 抗がん剤、局所治療として
4. 放射線治療
5. 転移部位に応じた治療(脳転移・骨転移など)
が適宜組み合わされるか単独で用いられます。
治療の目標が、治療による生活の質の低下をあまり起こさずに、乳がんによる症状を緩和することであるため、 治療効果と副作用のバランスをみながら、全身の状態や遠隔転移の状態を見ながら治療を選択します。
治療選択のポイントとしては以下のものが挙げられます。
1. ホルモン受容体陽性であればホルモン療法
2. HER2受容体陽性であればハーセプチン
3. 以上の治療で効果がみられるも、その後病勢が増悪するようであれば、2次・3次治療へ
4. 以上の治療で効果がなければ抗がん剤を用いる
5. 遠隔転移が生命を脅かすものであれば抗がん剤を用いる
遠隔転移の薬物療法は非常に多彩であり、さらに状態を見ながら進めていく試行錯誤的な治療とならざるを得ない側面も持っています。専門の医師とよく相談の上、生活の質を落とさない・がんの症状を緩和すると言う立場に則って治療を進めていくことが推奨されます。