放射線療法

放射線治療の目的と効果

pic03.jpg乳房の腫瘍の部分切除だけでは、将来的に局所再発が20-30%程度に生じるといわれています。

部分切除後に放射線治療を行うことにより、局所再発を2-3%程度に抑えることができ、乳房をすべて切除した場合と

ほぼ同じ効果を得ることができます。ただし、放射線はあてたところ以外には効果がなく、

転移などを抑制することはできません。

 

 

放射線治療の実際

pic01.jpg両腕または片腕を上げた姿勢で、手術をした側の乳房全体に放射線をあてます。(放射線をあてることを「照射する」といいます)

原則的に、月曜日から金曜日までの週5回、合計25回照射します。X線という放射線で、1回2Gy(グレイ)合計50Gyを照射します。もし、切除したすぐ近くに腫瘍細胞があった場合には、腫瘍のあった範囲のみに照射部位を小さくし、電子線という放射線で、さらに5回ほど追加します。(合計30回、60Gy)。

放射線治療にかかる時間は、治療室に入ってから出るまで、10-15分程度、実際に放射線が出ている時間は1-2分程度で、痛みや熱さなどは全くありません。

 

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放射線治療の副作用

放射線治療に伴う副作用は、治療中に起こるものと、治療後数カ月から数年後に起こるものに分類されます。

 

<放射線治療中に起こる副作用>

◎放射線皮膚炎

X線は光の1種なので、日焼けと同じ症状が起こります。

治療の後半から、照射部位がやや赤くなったり、ピリピリしたりするようになります。

治療終了から2週間ごろがピークとなり、その後徐々に回復していき、やがて元通りになります。

人によっては、日焼け後のように皮がむけたり、熱を持ったりすることがあります。

通常はそのままでかまいませんが、ひどい場合には薬を処方してもらう場合があります。

少佐は部位が汗をかきにくくなることもあります。

 

 

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◎倦怠感、食欲不振

症状のない方が大部分ですが、きつい感じがすることがあります。 

◎白血球低下

乳房への放射線治療でわずかに白血球が低下することがあります。

 

<治療後数ヵ月から数年後に起こる副作用>

◎手術した側の腕のむくみ

放射線はワキの一部にもあてるため、リンパの流れが悪くなってむくみを感じることがあります。

以前は数%程度に起こるといわれていましたが、最近はリンパ節を取る戸数が少なくなったため、

以前より頻度は少ないようです。

◎放射線肺炎

放射線は、手術をした側の肺のごく一部にあたります。

大部分の方はどうもありませんが、数百人に一人程度、放射線による肺炎が起こることがあります。

おこる場合は放射線治療後3カ月から9カ月ごろが最も多いといわれています。熱が出たり、せきが出たりした場合は

主治医に相談するとよいでしょう。

◎心臓の炎症、心臓機能の障害

左に照射する方は、放射線が心臓にわずかにあたりますので、心臓に影響の出ることがありますが、きわめてまれです。

◎発癌

放射線は抗がん剤と同じく、発がん作用があるといわれていますが、極めてまれな副作用です。

 

※以上は、乳房に放射線をあてる方全員に必ずしも当てはまるものではありません。

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